レインズ(REINS)とは?賃貸で全部載っていない本当の理由と仲介の見分け方【管理会社が解説】

契約者・入居者向け|賃貸トラブルと管理会社の対応

管理会社勤務ライター監修|約5,200字|2026年版

「レインズって何ですか?」
部屋探し中のお客さんによく聞かれます。不動産会社に行くと担当者が検索しているあのシステムです。

正直に言います。レインズに載っていない賃貸物件は、普通にあります。

「なぜ?」「じゃあどうやって良い物件を見つければいい?」
管理会社に10年以上いる立場から、レインズの仕組みと、部屋探しで使える「本当のこと」を解説します。
📌 この記事で分かること
  • レインズとは何か(5分で理解できる基本)
  • 賃貸物件がレインズに「全部載らない」理由
  • 業者と同じ相場情報を一般人が見る方法
  • 礼金に広告料(AD)が乗っているケースの見抜き方
  • 取引態様の見方と囲い込みの手口
  • 2025年1月の法改正で何が変わったか
  • 損しない部屋探しのための3つの質問

レインズとは何か?

REINS(レインズ)は「Real Estate Information Network System」の略で、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する不動産業者専用のシステムです。1990年に運用開始、全国約14万社の不動産会社が加盟しており、物件情報をリアルタイムで共有する業界のインフラです。

一般の人はログインできません。SUUMOやHOME’Sのような一般向けポータルサイトとは全く別物です。

管轄は全国4つに分かれています。

  • (公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
  • (公社)中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
  • (公社)近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
  • (公社)西日本不動産流通機構(西日本レインズ)

物件の所在地によって登録先のレインズが決まります。東京・関東・東北は東日本レインズの管轄です。

1990年以前の不動産取引は、紙の広告と口コミが主な情報流通手段でした。情報格差が大きく、買い手・借り手が「本当にいくらが相場か」を知ることが極めて難しかった。レインズはその不透明さを解消するために生まれた仕組みです。今でも「業者が情報を独占している」と感じる場面はありますが、30年前と比べれば圧倒的に透明化されています。

賃貸物件がレインズに「全部載っていない」理由

ここが重要です。賃貸物件はレインズへの登録義務がありません。

売買の場合は異なります。専任媒介・専属専任媒介契約を結んだ物件は一定期間内にレインズ登録義務があります。しかし賃貸は任意です。

管理会社がレインズに掲載しないケース

① 自社で客付けを完結させたい物件
管理会社が自社で入居者を決めた場合、仲介手数料を他社と分けなくて済みます。ADを高く設定して広く募集する必要がない物件は、レインズに出さずポータルのみで集客するケースがあります。

② オーナーとの口約束・非公開の物件
信頼関係のあるオーナーの物件は、ポータルにもレインズにも出さず紹介経路を限定していることがあります。「未公開物件」と呼ばれるのはこのパターンが多いです。

③ 広告費を抑えたいオーナーの物件
大手サイトへの掲載費用やADを節約したいオーナーが、管理会社のネットワークだけで募集するケースもあります。

賃貸のレインズ登録は「するかしないか」を管理会社が判断しています。レインズに出す=他社にも客付けしてもらう、ということなのでADが少ない物件は積極的に出さないこともある。「全部の物件をレインズで探せる」と思って1社だけに頼っていると、見えていない物件が普通にあります。複数の不動産会社に問い合わせる理由がここにあります。

SUUMOとレインズの違い

項目レインズSUUMOなどポータル
利用者不動産業者のみ一般消費者
掲載の目的業者間の情報共有一般集客(広告)
おとり物件ほぼなしまれにあり
掲載義務(賃貸)なし(任意)なし
リアルタイム更新あり1日数回(タイムラグあり)
一般人の閲覧不可(成約価格のみ可)

業者と同じ相場情報を一般人が見る方法

レインズ本体にはログインできませんが、「REINS Market Information」(レインズ マーケット インフォメーション)というサイトで過去の成約価格を無料で確認できます。

確認できる情報は以下のとおりです。

  • 成約した賃料・価格
  • 最寄り駅・駅徒歩分数
  • 築年数・間取り・専有面積
  • 建物構造

個人を特定できる詳細住所・部屋番号は非公開ですが、「このエリアで、この築年数・間取りなら実際にいくらで成約しているか」は把握できます。不動産屋が査定・価格交渉に使うのと同じデータです。

💡 活用法
「募集賃料10万円だが、成約相場が9万円台」という乖離が見えれば、家賃交渉の根拠になります。「同じ条件の成約事例が○○円台でしたが、交渉できますか?」という一言が刺さります。

礼金に広告料(AD)が乗っているケースの見抜き方

これは業界の中の話です。オーナーが仲介業者への広告料(AD)を出すかわりに、礼金を1〜2ヶ月多く設定させるという手法が実務で使われることがあります。

仕組みはこうです

  1. 管理会社がオーナーに「この物件は空室が長いのでAD2ヶ月つけましょう」と提案
  2. オーナーが「広告費を出したくない」と断る
  3. 「では礼金を2ヶ月に上げていただき、そこから充てます」という合意になる
  4. 入居者は「礼金2ヶ月」を当然の条件と思って払う

入居者の視点では、礼金として支払ったお金が実質的に仲介業者の広告費に使われています。

見抜く方法

同エリア・同条件の物件と比較して礼金が突出して高い物件は要注意です。REINS Market Informationで成約相場を確認しつつ、礼金についても「交渉できますか?」と聞いてみてください。

礼金が相場より高い物件を見たら「なんでこんなに礼金が高いの?」と疑う習慣をつけてください。同エリアの同条件物件と比較して礼金が突出していれば、実質的にADを入居者に負担させている可能性があります。「礼金1ヶ月に下げられますか?」と聞くだけで通ることは普通にある。最初から諦めないでください。

取引態様を見ると仲介の質が分かる

物件情報には必ず「取引態様」という項目があります。ここを見ずに部屋探しをしている人は、ほぼ全員損しています。

取引態様意味囲い込みリスク
専任媒介・専属専任媒介1社が窓口を独占高め
一般媒介複数社に同時依頼低い
管理会社直接募集管理会社=仲介会社手数料が安いことも

囲い込みとは何か?

管理会社が他社からの問い合わせに「すでに申込みが入っています」と嘘をついて断り、自社の客にだけ案内するケースです。入居者(借りる側)にとっての問題は「良い物件の情報が届かない」こと。あなたが行った不動産屋がその物件の管理会社以外の場合、「空き確認できません」と言われて終わることがあります。

2025年1月の宅建業法改正で何が変わったか

2025年1月1日に宅建業法施行規則が改正され、売買の専任媒介物件についてレインズへの取引状況登録が義務化されました。「公開中」「申込みあり」「一時停止中」の3区分を正確に登録しなければ行政指示処分の対象になります。

ただし、この改正は売買が主な対象です。賃貸への直接適用ではありません。とはいえ業界全体の透明性が高まる方向性は賃貸にも波及していくと見ています。

囲い込みが起きやすいのは「ADが高い物件」よりも、むしろ「管理会社が特定の客に入れたい物件」です。孤独死リスクを避けたい、騒音トラブルになりそうな人を入れたくない、といった本音があると、他社から問い合わせが来ても「審査が厳しい」などと言ってシャットアウトすることがあります。グレーゾーンの話ですが、現場では起きています。

ATBBとレインズの違い|管理会社が日常使いするシステム

不動産業者間で使われているのはレインズだけではありません。ATBB(アットビービー)は東日本レインズが運営する業者間の物件共有サービスで、販売図面(マイソク)や帯替え資料の共有に特化しています。

管理会社が日常的に使うのはむしろATBBのほうが多いです。レインズは登録・確認ベース。ATBBは図面共有・問い合わせ対応ベース。両方を使いこなしている仲介営業は情報量が多く、動きも速いです。

口コミ|実際に部屋探しをした人の声

SUUMOで見ていた物件を不動産屋に問い合わせたら「申込みが入っています」と言われた。でも別の不動産屋に同じ物件を確認してもらったら普通に空いていた。あれが囲い込みだったんだと後で知った。(30代・会社員)
不動産屋に「これはレインズだけに出ている物件で、まだネットには出ていない」と言われて内見を急かされた。その後ポータルサイトでも同じ物件が出ていたので嘘だと分かった。(20代・大学院生)
レインズとATBBの両方を使ってくれる営業さんに出会ってから、条件に合う物件が一気に増えた。どこの不動産屋に行くかで本当に変わると実感した。(30代・転勤族)
担当者に「この物件の礼金、同じエリアの成約事例と比べて高くないですか?」と聞いたら、すんなり礼金1ヶ月に下げてもらえた。REINS Market Informationを見ておいて本当によかった。(20代・一人暮らし)

損しない部屋探しのための3つの質問

不動産屋に行ったら、この3つを聞いてみてください。

① 「この物件のレインズ登録日はいつですか?」
登録が古い=長期空室の可能性。理由を確認する。

② 「取引態様は何ですか?他社でも申し込めますか?」
専任なら仕組みを理解して動く。他社にも当たる。

③ 「今日現在で空き確認できますか?レインズのステータスは何ですか?」
ここで曖昧な回答が返ってきたら要注意。別の不動産屋で確認する。

よくある質問

Q. 一般の人もレインズを見られますか?
A. レインズ本体へのログインは不動産業者のみです。ただし「REINS Market Information」というサイトで過去の成約価格は無料で確認できます。エリア・築年数・間取りを絞って検索すると成約相場の目安が分かります。
Q. SUUMOより先にレインズに物件が出ることはありますか?
A. あります。不動産業者は新着物件をSUUMO掲載前にレインズで確認できます。仲介業者に「新着が出たらすぐ連絡して」とお願いしておくと、一般公開前に情報が取れることがあります。
Q. レインズにはおとり物件はないですか?
A. ほぼありません。管理会社が自社物件を掲載しているレインズには、成約済みを放置するメリットがありません。一般ポータルは複数業者が同じ物件を掲載するため、成約済みが残るケースがあります。
Q. 礼金交渉はどのタイミングでするのがいいですか?
A. 内見後、申込みの前が最も交渉しやすいタイミングです。申込み後は管理会社・オーナーとの関係が固まるため動きにくくなります。「REINS Market Informationで成約相場を確認した」という根拠があると交渉が通りやすくなります。
📝 まとめ
  • レインズは業者専用の物件共有ネットワーク。一般人はログイン不可
  • 賃貸はレインズへの登録義務がなく、全部載っているわけではない
  • REINS Market Informationで成約相場を確認すれば業者と同じデータが手に入る
  • 礼金が相場より突出して高い物件は広告料(AD)が乗っている可能性がある
  • 取引態様を確認すると仲介の質と囲い込みリスクが見える
  • 2025年1月の法改正で売買の囲い込みに処分対象が明確化された
  • 不動産屋には「レインズ登録日・取引態様・空き確認」の3つを必ず聞く

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「実際に囲い込みにあった」「礼金交渉してみたら通った」「この物件のレインズ状況が気になる」など、部屋探しの経験があればぜひコメントで教えてください。同じ状況で悩んでいる方の参考になります。

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