【2026年版】原状回復費を払わなくていい具体例7選|管理会社に言い返せる根拠と交渉文例

契約者・入居者向け|賃貸トラブルと管理会社の対応

「18万円の請求が4万円になった」

これは、ガイドラインを根拠に冷静に交渉した入居者の話です。何も言わなければ、そのまま18万円払わされていました。

原状回復費は「請求=確定金額」ではありません。知っているかどうかで、結果が大きく変わります。

そもそも原状回復の法的ルールとは

根拠は国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2023年改訂版)です。費用負担は「経年劣化(オーナー負担)」「通常損耗(オーナー負担)」「故意・過失による損耗(借主負担)」の3種類に区分されます。ガイドラインは法律ではありませんが裁判所の判断基準として広く使われており、管理会社もこれを無視した請求は通りにくいことを知っています。

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退去費用の全体像をまだ把握していない方は、先にこちら

→ 賃貸の退去費用、払いすぎてない?国のガイドラインで自分を守る方法

払わなくていい具体例7選

① 壁紙(クロス)の日焼け・変色

南向きの部屋の日焼け、家具を置いていた跡の色差は「経年劣化」です。どれだけ丁寧に生活しても避けられません。タバコのヤニや落書き・大きな穴は借主負担です。

【管理会社の本音】正直、ガイドラインを出されたら通せないと分かって載せている項目です。何も言われなければそのまま、が現場の実態です。

「この変色は日照による経年劣化に該当します。国交省ガイドライン上、通常の生活による損耗はオーナー負担と明記されています」

② 冷蔵庫裏・テレビ裏の黒ずみ

電気製品の熱による壁の黒ずみは「通常使用による損耗」とガイドラインに明記されています。

【管理会社の本音】電気ヤケは通常損耗と国交省が明記しています。反論されたら査定から外す前提の項目です。

「冷蔵庫の電気焼けはガイドラインの『家電設置による壁等の黒ずみ』に該当し、借主負担外です」

③ 画鋲・ピン穴(軽微なもの)

カレンダーや写真を飾るための小さな穴は「通常の生活で生じるもの」としてガイドラインで明示されています。ドアノブが当たってできた大きな穴は借主負担になります。

【管理会社の本音】現場で見ているのは穴の「数」より「深さ」です。下地ボードまで達していなければ通常損耗として処理します。

「画鋲・ピン程度の穴は国交省ガイドラインで通常使用の範囲と定義されています。補修費の請求根拠を教えていただけますか」

④ フローリングの色褪せ・軽微な傷

紫外線による変色・家具跡のへこみは経年劣化です。引っ越し作業の深い傷、水漏れ放置のシミ、ペットの傷・臭いは借主負担になります。

【管理会社の本音】日照による色褪せは賃料に含まれる劣化です。請求書に載っていたら、根拠を聞いていい項目です。

「この変色は紫外線による経年劣化です。故意・過失による損傷ではないため、借主負担には該当しません」

⑤ エアコン内部洗浄

エアコンの内部洗浄は、特約に明記されていない限りオーナー負担が原則です。フィルター清掃(入居者の日常管理)とは別物です。

【管理会社の本音】喫煙なしの部屋なら借主負担にはできないのが原則です。「使用した結果」は通常損耗だと現場も分かっています。

「エアコン内部洗浄は通常の管理義務の範囲外です。契約書・重要事項説明書に特約の記載がないため、オーナー負担と理解しています」

⑥ ハウスクリーニング費用(特約が不明確な場合)

特約が有効になるには消費者庁が示す3つの条件をすべて満たす必要があります。①特約の必要性があり暴利的でないこと、②借主が通常の原則と異なることを認識していること、③借主が義務負担の意思表示をしていること。口頭説明のみ・小さな文字で見落とした場合は無効の可能性があります。

【管理会社の本音】金額・範囲が契約書に明記されていない特約は、消費者契約法で争われたら負けると管理会社側も知っています。

「重要事項説明書でのハウスクリーニング特約の説明内容を確認したいので、当時の書類を見せていただけますか」

⑦ 耐用年数を超えた設備の全額請求

設備には法定耐用年数があります。クロス・カーペット・エアコンは6年。入居6年でクロスが汚損した場合、残存価値はほぼゼロのため全額請求は認められません。

【管理会社の本音】クロスは6年で残存価値1円です。6年住んだ部屋のクロス全額請求は、ガイドラインを知らない担当者か、知っていて出しているかのどちらかです。

「このクロスは入居から○年経過しており、耐用年数(6年)を超えています。残存価値に基づいた按分請求をお願いします」

管理会社が減額に応じる交渉の進め方

STEP1:請求書の内訳を必ずもらう。「修繕費一式○万円」ではなく項目別の明細を請求。曖昧な請求は交渉の余地があります。

STEP2:写真と証拠を整理する。入居時の写真があれば最強です。「入居前からあった傷」の主張根拠になります。

STEP3:冷静に書面で交渉する。「ガイドライン上○○に該当するため」という論理的な伝え方が有効です。感情的な発言・完全無視・全額拒否はすべてNG。

そのまま使える交渉文例3つ

実際に管理会社へ送る場面を想定した文例です。コピーして使ってください。

文例1(請求書を受け取った直後)

「国交省の原状回復ガイドラインに沿って、各項目の根拠(経過年数の考慮・通常損耗との区別)を書面でご提示ください」

→ この一文が効く理由:書面で根拠を求められた時点で、現場は「ガイドラインを知っている借主」として査定を見直します。

文例2(特約を盾にされた時)

「ハウスクリーニング特約について、金額と範囲が契約時に具体的に合意された記録をご提示ください。消費者契約法10条に照らして確認したいと考えています」

→ この一文が効く理由:「消費者契約法10条」という単語が出た時点で、争いになったら負ける可能性を現場は意識します。

文例3(折り合わない時)

「これ以上は当事者間では難しいので、消費生活センターと不動産ADRに相談のうえ回答します」

→ この一文が効く理由:第三者機関の名前が出ると、管理会社は社内決裁を取ってでも着地点を探し始めます。放置されにくくなります。

2026年7月から原状回復コストは上がります

職人単価と資材費の上昇で、原状回復の請求単価自体が上がっています。つまりこれからの退去では、知識がない借主ほど請求額が膨らみやすくなります。この記事の7例と交渉文例は、退去が決まったら請求書が届く前に読み直してください。

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なぜ上がるのか、背景を知っておきたい方はこちら

→ 原状回復コストが2026年7月から高騰|賃貸オーナーと借主への影響



それでも解決しない場合の相談先

敷金と原状回復費の関係についてはこちらも参考に。

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「敷金から引かれているから問題ない」と思っている方はこちら

→ 敷金償却はなぜ行われるのか?

相談先 特徴 費用
消費生活センター(188) 全国どこでも無料 無料
不動産ADR(指定機関) 専門的な調停 低額
弁護士(法テラス経由) 法的根拠で交渉 収入に応じた費用

第三者を入れると、管理会社側も対応が変わります。

▼ 次にやるべきことはこちら

交渉しても管理会社の回答に納得できなかったら、次の一手はこちら

→ それでも納得できない時の「交渉ライン5選」

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本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。法的判断や具体的な対応は、必要に応じて弁護士・専門家・関係機関へご確認ください。

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