「退去したら30万円請求された」「敷金が1円も返ってこない」——こういう話は珍しくない。

でも、その請求が本当に正しいかどうか、確認しましたか?

国土交通省のガイドラインには、入居者が負担しなくていい費用の範囲がはっきり書いてある。知っているかどうかだけで、数万〜十数万円変わることがある。管理会社で実際に退去精算に関わってきた視点から、正直に解説する。

そもそも「原状回復」とは何か

原状回復とは「すべてを元通りにする」ことではない。国土交通省のガイドラインでは、次のように定義されている。

「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
——国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

つまり、普通に生活していれば生じる劣化(通常損耗・経年劣化)は、貸主負担が原則。年数が経てば自然に傷む部分を入居者に全額負担させるのは、ガイドライン上は認められていない。

ガイドラインの条文・実務上の解釈・よくある請求パターンを管理会社目線で詳しく解説。