法定更新だから契約書は返さなくていい?

契約者・入居者向け|賃貸トラブルと管理会社の対応

― 入居者が勘違いしやすい3つのポイント ―

賃貸契約の更新時に、

「法定更新なので書類の返送はしません」
「更新料は支払っています」

という入居者の主張を受けたことはありませんか?

実はこれ、現場ではよくあるトラブルの芽です。
今回は、借地借家法の考え方と、実務で起きやすい勘違いを整理します。


そもそも「法定更新」とは?

借地借家法第26条では、
期間満了後も貸主・借主のどちらからも解約の意思表示がなければ、
同一条件で契約が更新される
と定められています。

これがいわゆる「法定更新」です。

✔ 新たな契約書を交わさなくても
✔ 署名・押印がなくても
✔ 契約自体は継続する

という点は、法律上正しい理解です。


勘違い①「法定更新=何もしなくていい」

これは半分正解、半分不正解です。

確かに、
契約を続ける“だけ”なら書類返送は必須ではありません。

しかし実務では、

  • 管理会社が契約継続を記録できない
  • オーナー側が条件確認できない
  • 将来の解約・明渡し時に証拠が残らない

といった実務上のリスクが発生します。

👉
「義務ではない」と「不要」は別物
ここが一番の勘違いポイントです。


勘違い②「更新料を払った=合意更新」

更新料を支払っていると、
「もう合意更新ですよね?」と言われることがあります。

ですが実際は、

  • 更新料の支払い
  • 契約書への署名・返送

セットで合意更新と判断されるケースがほとんどです。

書面が返ってこない場合、
管理会社・オーナー側は
「法定更新扱い」にせざるを得ないのが実情です。


勘違い③「管理会社がしつこいだけ」

更新書類の返送を求めるのは、
決して嫌がらせではありません。

管理会社としては、

  • 契約条件の確認
  • 管理責任の明確化
  • トラブル防止

このために書面を残したいだけなのです。

現場目線で言うと、

「今は問題なくても、数年後に必ず効いてくる」

それが更新書類です。


では、どうするのが現実的?

入居者・管理会社双方にとって無難なのは、

  • 法定更新でも
  • 確認書・覚書だけは返送する

という落としどころです。

これだけで、

✔ 不要な争いを防げる
✔ 将来のトラブルを回避できる
✔ 双方の認識ズレがなくなる

というメリットがあります。


まとめ|「法定更新」は便利だが万能ではない

  • 法定更新=契約は続く → 正しい
  • だから書類はいらない → 要注意
  • 更新料を払った=合意更新 → ケース次第

法律上の正解と、
現場での正解は必ずしも同じではありません。

更新時こそ、
「後で揉めない選択」をすることが大切です。


✍️ 現場目線ひとこと

管理会社・オーナー・入居者、
誰かが得する選択より
誰も困らない選択が一番長続きします。

次のようなことでお困りではありませんか?

・この契約内容は妥当?
・管理会社の対応は普通?
・オーナーにどう伝えるべき?

当てはまるものがあれば、コメントで教えてください。
内容をもとに、記事で回答します。

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